Q2インプラント治療は何年前から始まっているの?
インプラントが臨床に登場したのは1910年代。
1913年にグリーンフィールドが円筒型のインプラントを開発し、これが近代インプラントの基と評される事が多くあります。
1930年代にはスクリュー(ネジ)型、1940年代には、らせん型のインプラントが考案されました。
しかし治療成績は著しく悪く、普及には程遠い状態であったと言われています。
インプラント治療、最大のブレークスルーと言われるのが1952年スウェーデンのルンド大学で研究を行っていたペル・イングヴァール・ブローネマルク教授によって、チタンが骨と結合することが発見され、チタンがインプラントに応用されるようになった事です。
ブローネマルク教授は信頼できる科学者、技術者と共に13年間に及ぶ基礎研究、動物実験を行いました。
そこで、あらゆるデータを集め、チタンがある条件のもとでは生体において異物とみなされずに骨と結合する性質を利用し、人工歯根(インプラント)システムを開発したのです。
1965年(昭和40年) スウェーデン・イエテボリ大学で34歳の男性の顎にインプラントを埋入しました。
そこからさらに15年間大学内で臨床研究を続け、371名の患者の410の無歯顎に2768本のインプラントを埋入し、上顎81%、下顎91%という好成績の臨床結果を得てから、 やっと1981年(昭和56年)に「無歯顎患者の治療にオッセオインテグレイテッド・インプラントを用いた十五年間の研究」 という論文を学術雑誌に発表しました。
それが、一大センセーショナルを巻き起こし、北米を中心に普及が始まりました。
インプラントの形態は大きく分けてブレードタイプと呼ばれる板状のものとルートフォームと呼ばれる歯根状のタイプがありましたがルートフォームが主流になり現在に至ります。
近代インプラントが実際の臨床に用いられて50年以上が経ちます。
そして、世界的に普及をし始めてから、約35年という年月が経とうとしています。